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2006年3月 7日 (火)

ビタミンD

「猫は一日中部屋の中で、日光浴させなくていいんですか?」という質問が時々あります。

一番心配されるのはビタミンDの合成についてだと思います。人では皮膚の下にある7-デヒドロコレステロールが紫外線の働きによりビタミンDへと転換されます。その後、肝臓や腎臓で代謝されて活性型のビタミンD3となり、腸管でのカルシウムやリン酸の吸収促進などの働きをします。

ビタミンD不足になるのは、

食餌から十分取っていない時

での吸収が不十分な時 

腎臓の働き悪く活性型ビタミンDに転換できない時 

紫外線不足の時

そこで猫ですが、猫の皮膚には7-デヒドロコレステロールが非常に少量しか存在しない為、紫外線によりビタミンDを合成できないのです。そのため、食餌中のビタミンDが非常に重要となります。

昔、「ミミー」というキャットフード缶には通常の100倍ものビタミンD(魚類の肝臓に多量に入っている)が入っていた為、腎臓や肺などにカルシウムの沈着がおこるという問題がありました。少なくてもダメ、多すぎてもダメというのがよく分かると思います。

ちなみに猫は高齢になると腎臓機能の低下がよく見られます。そのため、上述したようにビタミンDを活性化できずにカルシウムの吸収が低下します。さらに腎臓からのリンの排泄が十分できずにリンが溜まりこれがカルシウムとくっつき、組織や血管に沈着します。

以上のことから、血液中のカルシウムが減ることで、もっとカルシウムを出せ~という命令がPTH(パラソルモン)というホルモンでなされます。

このPTHというやつが、尿毒症の症状である沈鬱や食欲不振、高血糖などを引き起こすことが知られています。

血液中のリンを減らす為に低リン食やリン結合剤があります。また、PTHを減らす為に活性型ビタミンD3製剤があります。

今回の話はちょっと難しかったでしょうか?猫に日光浴が(栄養学的に)必要ないといっても、日光浴している猫を見るとすごく気持ちよさそうで、たまらないですよね。猫も日光浴は大好きです。晴れた日は出来るだけカーテンを開けて日光浴させてあげましょう。

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