マダニ
今日来院されたワンちゃんにマダニが付いていました。
原町の宮ヶ谷公園付近を主に散歩コースにされているワンちゃんです。昨年も何頭かマダニに咬まれているワンちゃんが来院されましたが、多くの場合、トリミングで発見されました。
マダニ自体は血を吸うだけなので怖くはないのですが、マダニが媒介する様々な病気の中に、非常に怖いものがあります。
バベシアはマダニが媒介し、赤血球内に寄生する原虫と呼ばれる種類の寄生虫です。当院ではまだ発生の確認はしていませんが、豊中などでは発生が確認されています。ということは原町周辺でいつ発生があってもおかしくない状況だということです。
今ではフィラリア感染はよっぽど重度でなければ治る確率の高い病気ですが、バベシアは決定的な治療法がなく致死率の非常に高い病気です。とにかく予防、予防、予防です。
予防の方法はフロントライン(2~10kg用1400円、10~20kg用1600円・・・)という製品が最も効果的だと思われます。ペットショップやホームセンターで売られている製品は値段も安いが効果も低いものです。そんなものを使って、もし感染しても誰も責任は取ってくれません。というより、月々数百円をケチった為に生死をさまよう病気になるなんて馬鹿げていると思いませんか?病院の売上の為に言っているのではないので、勘違いしないで下さいね。
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コメント
はじめまして(^-^)
動物病院の先生のブログって小難しいものやちょっとイッちゃってるものが多くて(;´▽`A``読みにくいことが多いですが、先生のブログは良いカンジですね☆
ところで、質問です。
フロントライン、うちのワンコにもずっと使っていたのですが、
「成分は農薬と同じ。危険なのでは?」という意見をよそで拝見し、今とても悩んでいます。
フロントラインが効能的に一番良いというのは理解しているのですが、その反面小型犬(4キロ弱のトイプードル・2歳半)にはきつすぎる側面もないのでしょうか?
お教えいただけると幸甚です。
お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
投稿: ワニ子 | 2006年4月11日 (火) 15時58分
フロントラインのホームページ
http://frontline.jp.merial.com/info/2_3_qa.asp
にも書かれていますが、この薬は節足動物のみに効く薬ですので、基本的に哺乳類である犬、猫や私達人間には害はありません。しかし薬である以上すべての犬に無害であるとは言い切れないと思います(薬物過敏症の犬もいますので)。
ただそういったのはあったとしても極々まれなケースで、ノミやマダニにより病気になる事の方がはるかに犬にとって悪いと思います。
ワクチンもアレルギーで死んでしまう犬もいますが、死ぬ犬は稀で、ワクチンをうたないで死ぬ犬のほうがはるかに多いのでワクチン接種を勧めています。
人のインフルエンザも一緒ですよね。インフルエンザワクチンで亡くなる方が毎年いらっしゃいます。
もちろん薬にも色々な物がありますので、ものによってはきついものもあるでしょう。
ホームセンターやペットショップで売られている薬はフロントラインに比べ効果も低く安全性も低いものですので使用しない方が良いと思います。
農薬としてフィプロニル(フロントラインの主成分)を使用していると聞いた事はありませんが、なんと言う商品名の農薬でしょうか?
投稿: 縄田龍生 | 2006年4月12日 (水) 12時15分
フィプロニル(フロントライン)、イミダクロプリド(アドバンテージ)は、農薬としてよく使われているみたいですね。
昔の農薬と比べ、人体に影響が少ないのでこれらを使用しているんじゃないでしょうか?
投稿: 縄田龍生 | 2006年4月12日 (水) 12時20分
早速のお返事ありがとうございます(^-^)
フロントラインの主成分であるフィプロニル、農薬にも使われていますが、ゴキブリ駆除の殺虫剤の主成分でもあるのです…
HPより抜粋「コンバッ○α アルファ 6個」は、プロが使っている新速効成分フィプロニルを配合した、さらに速く長く効くゴキブリ用殺虫剤です。食べたゴキブリだけでなく見えない巣にいるゴキブリも駆除。置いたその日から速効で効き、2度効く効果は6ヶ月の長持ちタイプです。薬剤にふれることの出来ない容器設計なので、お子様やペットのいる家庭でも安心してご使用いただけます。」
ということは、薬剤に触れると危ないともいえるのでは…?
また、フランスの話ですが、フィプロニルが主成分の農薬でミツバチが大量死し、フィプロニルの農薬使用が禁止になったそうです。
フロントラインも、国際化学物質安全性カ-ドには、人の場合、「長期または反復暴露により、肝臓に影響を与え、組織障害を与えることがある」と明記されている。危険物質だ。
と…。
これらは他の方(薬学の知識が豊富な一般の方のようです。)のHPに掲載されていました。
ご本人の許可を取っていないので、ここにURLを掲載できなくてすみません。
『フロントライン』『副作用』で検索すればヒットすると思われます。
このような情報を拝見するとものすごく悩んでしまって、
それで、先生に相談したしだいです。
これらはどう思われますか?
投稿: ワニ子 | 2006年4月12日 (水) 15時44分
ワニ子さん
先程も書きましたが、フィプロニルは節足動物に効く薬です。当然ゴキブリにもミツバチにも効きます。ですからフランスのようなことが起きるのは当然のことで、何もおかしいことはありません。
それでは今までの有機リン剤やピレスロイド系殺虫成分は安全だといえるでしょうか?
フィプロニルが安全だからといって、私自身フロントラインを飲みたくはありません。子供が間違って食べないように設計するのはフィプロニルに限らず、どのようなものでも同じではないでしょうか?特に訴訟社会になってきている日本では。
またすべての薬の副作用の項目には肝障害など多くの副作用情報が書かれています。あなたがよく飲む薬局の薬にも書かれていると思います。それではそれを恐れて薬を飲むのを全く止めますか?
ご存知かと思いますが、酸素も猛毒になり得ます。
ひどい痛み(女性であれば生理痛など)の時に、胃粘膜障害の副作用が出るかもしれないからといって、鎮痛剤の服用を止めますか?また、服用後胃が痛くなったからといって、製薬会社を訴えますか?
「長期または反復暴露により、肝臓に影響を与え、組織障害を与えることがある」
こんな事を取り上げてフロントラインが危険だといっている人の物事を考える能力を疑います。本当に首を傾げたくなるようなものです。翻訳すると、
『人がフロントラインを毎日1ヶ月間続けて飲むと肝臓が悪くなるかもしれないですよ』
ということです。このような文章に何の意味があるでしょうか?
これも先程書きましたが、フィプロニルはどんなことがあっても100%安全だとは言っていません。ノミやマダニに感染するよりはるかに体に良いと言っているのです。
世の中には間違った情報が蔓延しています。特にインターネットでは無責任な情報が。
ある一部の情報を、大きく取り上げてそれ以外の情報を見せない。テレビでもほとんどがこのように放送されていますので、皆さん気をつけてください。
最後に。
少し強い口調になって申し訳ありません。
投稿: 縄田龍生 | 2006年4月12日 (水) 23時12分
縄田先生
親身になって答えていただき、ありがとうございます。
やや厳しい論調に、怒られているようでちょっとビビリましたがv(>∀
これで、安心して愛犬に使えます。
ありがとうございましたm(_ _)m
P.S.
10Kg以下用のタイプは、5kgに満たない犬にでも全量滴下したほうがよいのでしょうか?
投稿: ワニ子 | 2006年4月13日 (木) 10時29分
一番小さいサイズは2~10kgの犬用なので、全量滴下して下さい。
強い口調でごめんなさい。
ほとんどのことは、良い面悪い面があり、良い面が悪い面を上回るかどうかで判断していくのだと思います。
例えば、去勢手術や避妊手術、ワクチンなども、メリット・デメリットを天秤にかけて行なうかどうか判断します。
よく『去勢手術しないとダメですか?』『太ったりするのが心配で・・・』といわれる方がいらっしゃいます。
私たち獣医師は、手術した場合のメリット・デメリット、しなかった場合のメリット・デメリットを伝えます。
太ることと、前立腺肥大など性ホルモンに関連した病気になることのどちらを避けたいかは飼い主様の判断になります。
去勢手術は麻酔・太る・おとなしくなるなどのデメリットがあるけれども、それをはるかに上回るメリットがあるのだと考えます。
時々、自称犬博士と呼ばれる方が、『去勢手術をすると太るからやめたほうが良い』と助言しています。これはまさに、今回のフロントラインの副作用と同じでデメリットのみを強調し、メリットを何も言っていない典型例だと思います。
だらだらとなりましたが、物事の両サイドを是非しっかり見ていってもらいたいと言う事です。
投稿: 縄田龍生 | 2006年4月13日 (木) 20時46分
本当に色々教えていただきありがとうございました。
そうか、ちっこいワンコでも全量滴下しても大丈夫なんですね。
了解しました。
お忙しい毎日でしょうが、これからも頑張ってくださいね!応援していま~す☆
投稿: ワニ子 | 2006年4月14日 (金) 16時54分
一年前の話題で恐縮ですが、
ダニ駆除剤による実際の副作用が載っているhpがありました。
http://www.nval.go.jp/fuku2/fuku/a/4159.htm
投稿: イカ | 2007年4月17日 (火) 12時22分
フロントラインの是非については非常に迷うといったところが本音です。ただどうしてもぬぐい切れない疑問点を以下記載させて戴きます。
1.節足動物のみに効く殺虫剤とはいうものの、例えばゴキブリホイホイを子供がいたずらしてなめてしまった場合全く影響なしと言い切れるのでしょうか?
2.のみ、ダニ除けとして、例えば人間の子供の首筋に添加しても全く影響ないと言い切れるのでしょうか?
3.我が家の小型犬はこれをすると、狂ったように走り回ったり具合悪そうになるのですが、又これを添加した犬を膝に抱いて長時間座っている人間の方も具合が悪くなったりするのですが、これは気のせいでしょうか?
4.ワクチン、フロントライン、狂犬病と、実質殺虫剤を毎年頻繁に摂取することに、長いスパンで見た場合全く影響なしと言い切れるのか心配です。人間の子供のワクチンでこのように毎年行われるものは聞いたことがありません。
5.ワクチン、狂犬病に関しては欧米では3年に1回の所が多い等、何故国によりまちまちなのでしょうか?
6.最近増加傾向にあると言われる犬猫のアレルギーや悪性腫瘍との関連はあるのでしょうか?
もちろん、ワクチン、狂犬病、フロントライン廃絶を訴えているのではなく、その頻度があまりに多いことによる弊害を憂慮していることをご理解戴きたいので一筆したためました。
投稿: ミッチー | 2010年5月17日 (月) 16時47分
上の質問内容があまりにも自分と同じ事を疑問に思ってる内容と酷似しています。
こちらのブログはまだ更新されているみたいですが何故この質問には答えがないのでしょうか?
是非知りたいのでお願いします。
投稿: 通りすがり | 2012年5月 7日 (月) 13時40分
かなり昔の話ですね。
1~4はそれまでの返答で答えになっているはずです。
分からなければ分かる大人に聞いて下さい。
狂犬病の接種頻度については厚生労働省にお聞きください。
混合ワクチンは任意接種です。
メーカーが一年ごとの接種を推奨すると言っており、ワクチンによる抗体産生の反応も個体差がある中、3年に1回でよいと断言できるほどのエビデンスを持ち合わせていません。
6については関連があるという報告がありません。
知りたいという事であれば、効く前に多少はこれまでに書いている事を読んでくださいね。
投稿: 縄田龍生 | 2012年5月 7日 (月) 16時50分
お返事有難うございます。
では、1~4の質問ではどれも「影響ないとはいいきれません」ということですね。
5に関しては厚生労働省が決めているのであって、私はただそれに従ってやってるだけですってことですね?
ワクチンに関しても、貴方自身が効果があるのかないのかわかっていないので、メーカーが推奨するそれに従っているだけということですか。
6は報告がないので関連があるのか調べた事がない、又は調べようとはしていないってことですか。
よく分かりました
投稿: 通りすがり | 2012年5月10日 (木) 11時00分
私たちは法律に従って、例えば3年に一回の免許更新など行います。
それが半年に一回にしなくていいのか?
更新なしにしてもいいじゃないか!
という意見が出た時、
警察官に対し、「法律に従ってやっているだけですね」「事故の多発を目の前にしてそれでいいんですか?」と問いただしても、意味のない事はお分かりかと思います。
臨床家と研究者の違いをどうも理解できない方のようです。
何百頭といったビーグル等を用意して十数年にわたり飼育し、ワクチン接種群と未接種群に分け腫瘍の発生頻度を調べる。といったような試験を一般開業獣医師に求めているのでしょうか?
調べるとは何を調べるのか?
デマ情報や個人の経験、私見を集める事が調べる事だとでも思っているのでしょうか?
信頼性の高い論文でも出ているなら別ですが、ないものを調べることはできません。
「科学」に関する勉強をされる事が、今後のあなたの人生に大きな利益を生むことと思いますので、是非お勧めします。
そういえば先日橋下市長と記者のやり取りが話題になりました。
あまりにおバカな記者の質問に多くの国民は唖然としたでしょう。
あなたの質問はそれにとても似ています。
投稿: 縄田龍生 | 2012年5月10日 (木) 21時38分
マダニの原虫の件ですが・・・・
3年前にTNRした現場(正雀本町)で、その原虫がいた猫がいました。助かりませんでしたが・・・・
その前に亡くなった子もそれで亡くなったようです(犬に噛まれたケガもあったので検査はしていませんでした)
ミイラ化して亡くなってた子もいました。そこの子は6匹2年も経たない間に居なくなりました。たぶん亡くなったんでしょう。TNRしたので原虫がそこで消滅していれば良いんですが・・・
投稿: めいぴー | 2012年5月11日 (金) 20時38分