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2006年7月

2006年7月20日 (木)

医療保険

国民健康保険費を払えず保険証がなく、病院へ行くのをためらっている人が増えている事が先日ニュース番組で報道されていました。国民健康保険に加入すべき人の2割が滞納しているそうです。番組では、弱者に対する国の姿勢を少し批判的に報じていました。

日本では国民皆保険制度によってかなりの高額な医療費が免除され、ほとんどの人が一定水準以上の医療を受けることが出来ます。私も、アメリカに行くまではあまり意識していませんでしたが、すばらしい制度だと思います。

私の親戚の一人(祖母の弟。アメリカ在住)が、数年前心臓病でペースメーカーを埋め込む手術を日本とアメリカでしました。日本では被爆者手帳を持っているため無料。アメリカでは1000万円近くかかったそうです(もちろん民間の保険に加入していたので実費はそれなりで済んだと思いますが)。被爆者手帳を持っていなくても国民健康保険があれば高額医療制度によりかなり安く手術を受けることが出来ると思います。以前も何かで書きましたが、アメリカでは救急車を使うと数万円かかります。

話は戻りますが、番組で言われたように保険料が払えない人が、保険証をもらえないと言うのは本当に弱者切捨てでしょうか?国がお金を出せばよいと考えがちですが、国というのは私たち自身で、国のお金は私たちの税金です。総医療費の実に25%は国の補助金(私たちの税金)からなっています。つまり、毎月の国民健康保険料に加え、各種の税金という形でそれに近いお金を払っているのです。地域によって異なりますが、国民健康保険の上限額は約53万円(一家族年間)。10年病院に行かなければ530万円が他の人の医療費に使われる事になります。もちろん自分が病気をしたときは健康な人が払っているお金で助けてもらうのです。助け合ってこそ成り立つ保険ですので、助けてもらうばかりと言うのはどうかと思います。そんな人こそ、他人ではなく家族や親戚が助けるべきだと思います。

私たち動物病院で毎日のように言われる言葉があります。

『動物病院は保険がきかへんからねえ』

国民健康保険が国の制度である為か、医療費の一部が税金という形であるために、払っているという意識が少ないせいか、人の医療は安く、動物医療は高いと感じていらっしゃるみたいです。おそらく、7割は国(他人)が払ってくれていると感じている場合が多いのでしょう。

最近では、月々2~4千円位で、5~7割の負担をしてくれる民間保険(共済)が各社から出ています(当院ホームページ参考)。人のような高度・高額医療はありませんが人の保険料(+税金)と比べてもそれほど割高感はないんじゃないかと思います。

『動物病院は保険がきかない』のではなく、月々数千円をしぶって保険に加入していないから当然保険はおりないのです。全ての人が払った以上の金額をまかなえることは当然あり得ません。保険会社がつぶれます。保険を考える時に、『払った分だけ取り返さないと損』なんていう事を考えている方は、是非その考えを改めてください。

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2006年7月17日 (月)

奇形

もう知っている方もいらっしゃると思いますが、アメリカのオハイオ州グローブ市で、水曜日に 2 つの顔 (1 つの頭に顔面が 2 つ) を持つ子猫が生まれたそうです。

この子猫は、2 つの口と鼻、2 組の目があり、飼い主の少年は、この子猫の名前をまだ決めてないそうですが、”タイガー”と名付けたいと言っているそうです。
この子猫の他に 2 匹生まれましたが、2匹とも正常です。

Two_head_kitty NBCのサイト(動画あり)

全く詳しくはありませんが、過去日本ではイタイイタイ病という病気がありました。その時も初め猫が異常な神経症状を示し死んでいったそうです。

この子は残念ながら長生きはしないと思います。めずらしいと言う事で取り上げられていますが、このような奇形が起こるのは本当に偶然だったのでしょうか?・・・と考えるのは考えすぎでしょうか?

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2006年7月 3日 (月)

飼い猫?

Charahayashida_1 数日前、道路の真ん中で倒れていた猫が保護されました。

発見時はかなりの重症で、一命を取り留められるかどうかも分からない状態でしたが、少しずつ回復してきています。

かなり痩せていて、肝臓に障害があり、脳神経症状も出ています。

この子はどうやらロシアンブルーという猫種っぽく、去勢手術もされています。人にもなついています。

Charahayashida2_1飼主の方は名乗り出てきていませんが、おそらく飼い猫だと思います。何か心当たりのある方はご連絡下さい。

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2006年7月 1日 (土)

熱血獣医

昨日TBSで、「完全密着…どうぶつ病院24時!ペット達の命を救え!熱血獣医スペシャル」という番組がありましたね。皆さん見られましたか?

まず初めに夜間動物病院が紹介されていました。私も短い間でしたが、堺の夜間救急病院でアルバイトとして勤務した事がありましたが、やはり重症の子たちが多く気の抜けない日が続くこともあります。北摂には箕面に夜間救急病院がありますが、スタッフも設備も申し分なく、夜の緊急時にはとてもありがたい存在だと思います。一つお願いがあるとすれば、5:00amまでではなく、せめて7:00amか8:00amまでやってくれたらなと思います。私の父が機械に腕を挟まれ、切断された時救急車が来てから受け入れ病院が見つかるまで30分以上かかったと聞きました。広島というある程度の都市でもこのような状態なのかとびっくりしましたが、それに比べ全国の獣医さんたちは頑張っていると思いませんか?

夜間動物病院の若い院長先生が自宅のプレハブ小屋に「仲間がいる」と言って入っていきました。『ああ、猫達の為に小屋を作ったのか・・・』と思い見ていると、小屋の中にはケージがびっしり並んでいるではないですか。犬や猫十数匹を世話しており、「自分の限界以上のことをしてはいけない・・・」と言っていましたが、あの状況はすでに限界を超えているのではと思いました。テレビで放映してもらうということは、先生自身が良い事をしていると思っているのでしょう。

多くの日本人は長く生きることに重点を置きます。それに比べ欧米人は生きる質に重点を置きます。人は『死ぬ』ことを知ってしまいました。今のことも未来のことも考えることが出来ます。それに比べ『死』を知らない動物たちにとっては、今その時が重要なのです。

無責任な飼主に捨てられる動物は非常に多くいます。そういう子達を助けてあげたいと思う気持ちはほとんどの獣医師が持っています。しかし、一生ケージ内での生活を強制される動物たちは本当に幸せでしょうか?その思いから当院には『輸血犬・猫』がいません。輸血の為に一生ケージ内で生かされる事も、ある意味虐待だと考えているからです。

相川動物医療センターの相川先生は獣医界では有名な先生の一人です。アメリカの大学で外科専門医として実践してこられたからです。ただ、ちょっと言い過ぎな部分もありました。実際に全国には相川先生と同等もしくはそれ以上の技術や経験を持っている先生はいらっしゃるからです。椎間板ヘルニアの手術は難易度の高いものではありません。きっちりと悪い場所さえ分かれば、多くの先生たちがこなせる手術です。あのダックスフンドも状態としては最悪ではなかったので、おそらく他の先生がやっても同じ結果になったと思います。決して『奇跡』ではありません。相川先生も『手術をするということで来院されたんですか?』と聞かれてました。状態によっては、手術してもしなくても結果はあまり変わらないという事も多いからです(良くなる時間は手術した方が早いですが)。

問題は、主治医がきっちりやることをしていなかったことだと思います。手術には特殊な器具も必要ですが、すべての病院が持っているわけではありません。最初の主治医がしっかり説明し、手術のできる病院を紹介すれば良かったのだと思います。

心配なのは、ヘルニアの手術をしたがうまく治らなかった場合、『相川先生だったら治っていたかもしれない』と考えることです。あの番組を見たら誰でも相川先生に手術してもらいたいと思います。誰がやっても同じ結果になる位の手術もあれば、相川先生はじめ、手術の優れた先生がやった方が良い手術もあります。それを見極めるのが、『主治医(ホームドクター)』だと思います。

『超デブ犬の2週間限定ダイエット』と聞いたときに、誰もが「2週間だけかよ!」と、さまぁ~ずの三村ばりの突っ込みをしたと思います。3ヵ月後にかなりダイエット出来ていてほっとしました。犬のフィットネスクラブいいですね。しかし1回約1万円。そんなお金をかけて急激なダイエットをしなくても食餌を減らせば、お金も浮いて体重も減るのにな~と思ったのは私だけでしょうか?ペットボトルに穴を開け、フードを入れるのはいいですね。

犬猫の里親探しに力を入れている先生がいらっしゃいました。年間100頭の里親。すばらしいです。本当に動物に対する愛情の強い先生だなと感じました。

エキゾチックアニマル専門の獣医師が、「昔診てもらった獣医は何も分からないのに大きな態度だったから、獣医が大嫌いだ」と言っていました。彼はいわゆる「マニア」で、獣医師になる前から、生態などの知識は豊富だったと思います。だからと言って、当時の獣医師をあんなふうに非難するのはどうかなと思います。犬・猫でも一生勉強が必要な獣医学です。一生に数匹見るか見ないかの野生動物のことを詳しく知らないのはそんなに非難されることでしょうか?もちろん、僕から見ても「どうしてこんな治療を?」と思うようなことをしている病院もありますので、彼もたまたまそんな病院を経験してしまったのかもしれません。彼以上にエキゾチックアニマルについて詳しく、一般の獣医師に広く指導しているすばらしい開業獣医師もまだまだいます。

老後や重大な事情でどうしても飼えなくなったペットを飼い続けてもらえる団体も紹介されていましたね。約100頭を5人で面倒見ているといっていました。また、寄付で成り立っているらしいです。大変厳しい状況のようですが、ペットフード会社や大阪市が協力して、南港の無駄になっている空き地などを使ってやってくれたらいいんですけどね。大阪市内なら、ボランティアもたくさん集まると思います。

以前は『気』で病気を治す獣医や、他の獣医師が処方した薬を『独自の検査機械』で分析して、「これは水だ!」などと飼主に言ったりするようなフェラーリを乗り回す獣医など面白おかしくこのような番組が作られていたような気がしますが、最近は本当に頑張っている獣医師達がよく登場します。私も立派な先生方に負けないよう、飼い主様に安心して任せてもらえるようなホームドクターになるべく日々頑張ります。

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