« 写真コンテスト | トップページ | ゴールデンウィークの診療 »

2012年4月24日 (火)

猫カフェ

久しぶりのブログ更新です。

環境省では動愛法の省令改正により、今年6月1日より施行される
夜8時以降の犬猫の夜間展示禁止に伴い、いわゆる「猫カフェ」を例外として
経過措置規定を置くことを検討しています。

この事に対するパブリックコメントを募集しています。

いろいろ意見はあるかと思いますが、私の考えを示したいと思います。

まずは何のための法律かを考える必要があるとおもいます。

「動物愛護」が目的であるのなら、ペットショップであろうが、
いわゆる猫カフェであろうが規制対象にするべきです。

「ペットショップ」は悪環境、「猫カフェ」は良環境との思いこみこそが、
混乱の原因になっていると思います。

「猫カフェ」業界からは、ストレスフリーであるとか休憩を入れている
との理由で要望が出ているかと思いますが、
そもそも狭い部屋に多数の猫を入れておくこと自体
非常にストレスを感じているはずです。

多頭飼育一般家庭猫に明らかに多いFIPという病気があります。

ストレスなどにより免疫力が低下した猫に発症しやすい感染症ですが、
ケンカをしないような猫たちにも多頭飼育下でより高率に発症します。

飼い主の目には猫たちがストレスを感じているとは映っていません。

1頭の猫に対し6畳の空間が必要と言われていますので、
猫カフェは明らかに過密状態ですし、のんびりしていて
ストレスフリーというのはあくまで人間の主観、思いこみです。

もしかしたら本当にストレスフリーの猫カフェもあるかもしれません。
が、100件の猫カフェのうちストレスフリー状態を維持できるのは
一体何件になるでしょうか?

多頭飼育にまして、猫カフェでは知らない人間が次から次へと侵入してくる
というストレスが加わります。

さらに加えると、ペットショップではおそらく悪環境にさらされるとしても
最大数ヶ月間でしょう。

猫カフェではそれが何年、十数年と続きます。

動物を犠牲にした人間の為の「動物園」として猫カフェは存在します。
猫にとってのメリットはゼロと言っても過言ではありません。

それを是とするか非とするかは日本国民の意識の問題ですが、
ペットショップよりも猫カフェの方が
「良環境を持った法的に考慮されるべき施設」
というのは全く間違った認識かと考えます。

|

« 写真コンテスト | トップページ | ゴールデンウィークの診療 »

コメント

はじめまして。

先生からの(専門家としての)
このような意見を聞く事ができて、
とても嬉しいです。

ウイルス感染など、とても気になっていたので、
こちらの記事を読ませていただき、
自分の思っていた事が、
大げさな思い込みではなかったと分かりました。

もし自分の猫がカフェにいたらと思うと
ぞっとします。
不特定多数の人に触られ、
休まる時のない時間…
それだけ負担がかかるのですよね。

期日までに提出します!
ありがとうございました。

投稿: チャチャ丸 | 2012年4月26日 (木) 01時55分

コメントありがとうございます。
経営の面からみると厳しい省令かもしれませんが、本当に猫の為を思うとペットショップと区別する理由が見当たりません。
少しでも動物に優しい国になってくれればと思います。

投稿: 縄田龍生 | 2012年4月26日 (木) 18時15分

今回のパブリックコメントは、
あまり話題にならず、憂慮しています。

先生の記事を、
私のBlogで紹介させて頂いても宜しいでしょうか。
専門家からの冷静な見解が重要だと思いますが、
なかなか見当たらず、こちらを読んだ時に、
救われるような思いがしました。

お忙しい中、
何度もコメントしてご迷惑だと思いますが、
ご了承頂ければ、転載させてください。
重ねてお願い致します。

投稿: チャチャ丸 | 2012年4月27日 (金) 00時25分

チャチャ丸様、コメントありがとうございます。
転載等自由に使ってもらって結構です。

投稿: 縄田龍生 | 2012年4月27日 (金) 09時44分

午前8時から午後8時までという時間の根拠が不明で、規制したところで何が改善されるのかまったくわからないんだよな。

投稿: ? | 2012年5月 4日 (金) 03時50分

?さま
そもそもペットショップにしろ、猫カフェにしろ現在の販売方法が動物の為を考えると良くないわけです。
その中で少しでも動物にとってより良い環境を作っていこうというのが動物愛護法ではないでしょうか?
8時でないとだめなのか、10時ではダメなのかという事を言えばもちろん根拠はありません。
しかしそこは大きな問題ではないでしょう。
理想は展示販売なし。猫カフェ禁止。です。
細かいところをつつくのではなく、改正の真意を理解して下さい。
業者の反対からやっとここまで変わりました。
まだまだ動物にとってやさしい国ではないのは誰が見ても明らかです。
目に見える改善しか意味がないと考えておられるのなら大きな間違いです。
お金の為に反対する人たちと地道に交渉しながら一歩一歩改善されていくものですから。
改善が遅く、もどかしい思いはありますが・・・。

投稿: 縄田龍生 | 2012年5月 4日 (金) 09時54分

猫カフェでアルバイトをしているものです。

先生の記事はとても熱意があって個人的に好きです。

しかしながら猫カフェが完全に不必要なものかどうかはやはり事業に従事しているものではないと理解し難い部分もあるかと思いご迷惑かと思いましたがコメントさせていただきます。


「猫カフェ」というものが猫にとってストレスフリーな環境でないかどうかと言われますと正直なところ認めざるを得ません。

ただ、猫カフェの中には少なからず保護団体がしているものもありますし捨て猫ばかりで運営しているものもあります。

お客様の中にはご高齢で猫を飼えない方、住宅事情で飼えない方など様々なお客様がいらっしゃいます。
死んでしまった飼い猫の面影のある猫に会いに来る方もいます。


どの店舗も程度の差こそあれそれぞれが猫のストレスについては真剣に考えながら営業を続けています。


飼育面積に関して言えば、
犬の場合1頭あたり30平米必要だという意見もあるようですが日本の住宅事情でそれをかなえてあげられているご家庭はごく僅かではないでしょうか。

運動量に関しても同様、
彼らのストレスを完全に取り除いてあげられている飼い主さんはどのくらいいるのでしょう。

現状1パーセントにも到底満たないように思いますが先生のご意見はいかがでしょうか。

突き詰めて考えていくと
「動物を飼育する」という発想自体が既にこの国では虐待に近いものがあるのでは?と個人的には考えております。

私は獣医の家庭で育ちましたが手術は虐待ではないのか等々幼少期から多くを考えながら育ちました。


それでも私たちには動物が必要です。

当店のオーナーを含めお金のために猫カフェをしている人は少ないです。


先生が動物を一匹でも幸せにしてやりたいと思われるように、動物が好きで好きで彼らの癒しを心の糧として生きている方が現実にいるということもご理解いただけると幸いです。


現実を理想に近づけるのは非常に難しいことではありますが我々も最善を尽くすよう努力してまいります。

長文駄文失礼いたしました。
これからも更新楽しみにしています。重労働かとは思いますがお体ご自愛くださいませ。


投稿: 通りすがりの業界関係者 | 2013年5月14日 (火) 17時07分

通りすがりの業界関係者さま

とても真剣なコメントありがとうございます。

貴殿の言われる通り、犬を飼っていてもそれ虐待じゃないのという飼い主がいることも現実です。
私たちが良いと思っている飼育環境でも犬たちにとっては不十分なことも多いでしょう。

散歩もろくに行けない老夫婦が、ダックスフンドを飼い始め、ぶくぶく太らせ、大きなな吠え声に困っているという事も少なくありません。

飼う方は、犬の習性をろくに調べもせず、売る方はとにかく売ること第一で個々の家庭環境に合った犬種選びをしない。

問題だらけなのは全く同意します。

ただ今回は動物愛護の観点から、つまり猫の観点からの意見です。
私は獣医師として、人の健康面を考えるとともに一般の方々以上に猫の味方になってあげなければなりません。

猫カフェはあくまでも人のための施設であって、人の為にどこまで動物を犠牲にするのか。
動物展示の規制を厳しくし、動物にとってよりよい社会を作っていこうという時に、ペットショップと猫カフェは区別すべきものではないという事なんです。

猫カフェの存在意義はもちろんあると思います。
それは動物園の存在意義があるのと同様なものです。

猫の立場で言えば存在しない方がいい。
でも人の立場から言えば、存在の意味がある。
と思うのです。

私も多くの動物の犠牲の上、日々暮らしています。
そんな私が偉そうなことは言えませんが、お互い動物の生活の質改善の為、がんばりましょう。

投稿: 縄田龍生 | 2013年5月14日 (火) 21時27分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/27920/45004406

この記事へのトラックバック一覧です: 猫カフェ:

« 写真コンテスト | トップページ | ゴールデンウィークの診療 »